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みゆぽんとの日々

18トリソミーという重い障碍で産まれたみゆぽん。短命といわれ、1歳の誕生日を迎えられる可能性の低い病気です。そんなみゆぽんとの日々を、残していけたらと思っています。 そしてみゆぽんが残して行った宝を胸に、日々を綴っていけたらと思ってます。

Entries

霊安室にて

霊安室での出来事。

後にこの時の自分の前向きさを、とっても後悔した
出来事の記録。

l03-2.jpg



みゆぽんはすばらしく天気のいい日に産まれた。

そして亡くなった日も、火葬された日も、雲ひとつないステキな日だった。

前日に退院様に買った肌着を洗ったばっかりだった。

まさか次の日に亡くなって、着せることになるとは思わなかった。

通販で買った未熟児用のインポート服は、2300gのみゆぽんの体に驚くほどぴったりで、白く陶器の様に固まったみゆぽんは、ますますお人形のようにみえた。

13714.jpg

霊安室に入ったら、NICUのスタッフがいっぱいいた。

ただでさえNICUはいつも忙しそうで、アラームが鳴り続けているのに
すぐに駆けつける余裕もない。

そんなに皆さんで来たら、他の子が心配だったので帰って下さいとお願いした。

もうみゆぽんに出来る事はこの人達にはないけど、同じ様な気持ちの人を
増やさないで欲しかった。

一人一人生前と変わりなく抱っこして、お別れの言葉をみゆぽんに
話しかけてくれた。

お産難民の私を受入れてくれた病院はここだけだったが、ここで産めて幸せだった。
そんな話をした。

すごく驚いた事に、産婦人科の担当の先生と入院中にお世話になった
助産士さんが10人以上来てくれた。

産婦人科の先生はみゆぽんの首とお尻を持ちながら、不必要なぐらい泣いていた。

赤ちゃんの抱き方を知らない人なんだな・・・と思った。

産婦人科の先生にみゆぽんを渡されそうになった助産師さんは
手振りでベットに寝かせるように指示して、全員手を合わせていった。

やっぱり小児科と産婦人科って違うのねって
冷静に思っってしまった。



医者ならいっぱい生死を見てきたはずなのに、何故そんなに泣いているのか不思議だった。

産婦人科医なら、中絶・流産・死産と色々あるんじゃないかな。

もし親しくなった私のみゆぽんに思い入れがあって、嘆いているなら
ママはみゆぽんと一緒に出来る事がある。


みゆぽんの主治医の先生も泣いている。

小児科の先生は仕事辞めたいオーラを発していた。

医者にしては気弱で、看護婦さんより弱いのに、責任だけ取らされて
気の毒だった。

産婦人科の先生は、前に会った時に医者を辞めたいと話していた。

この二人の辞める気をそげれば、とっても有意義な事だとずっと思っつていた。

看護師さん達が下がったのに、産婦人科の担当医だけが
みゆぽんの前に来て、私達の前に頭を下げた。

「申し訳ございません。」

回らない頭で考えても、この人に謝られる理由は見当たらない。

「止めてください、先生。私達は誰も責めるつもりはありません。」
と旦那が泣きながら言った。

旦那がそのつもりなら……

先生に聞きたい事と言わせたい事がある。

きっとこのタイミングでしか言わせられない。

遺体に手をかざしてみると、半目を開けたみゆぽんが
私を応援しているように見えた。

娘の死をもってしか言わせられない言葉かもしれない。

ずっと聞きたかった言葉。

人は責められるより、感謝の言葉を忘れないから
あえて感謝の言葉を選んだ。

「先生、お腹の中にいた時にこの子の異常に気が付いてましたか?」

「気が付きませんでした。産まれたときも泣いて元気だったし…」
と泣いていた。

「そうでしたか、もしかしたらね、妊娠中の過敏な時に気を使って
言わなかったのかなって思っていたんです。

先生。私は先生が大好きです。

あなたのお陰で無事に産めたんです。
ありがとうございます。」

産婦人科の先生はもっと大声で泣き始めた。

「これから益々精進致しますので、どうか・・・・」

声になっていなかったけど、お赦し下いって言った気がする。

だから

「先生、医者を辞めないでくださいね。空からみゆが
見張ってますからね。」って言った。

「はい。」って返事が返ってきた。

その言葉がとっても聞きたかった。

まだまだ若い先生、これから色んな経験をして育って欲しい。

みゆぽんの個性は治しようが無かったけど、きっと
これから多くの子をこれから救えると思う。

みゆぽんの命を持ってした事。
これが使命だったんじゃないかと思った。

後日、18トリソミーの病気の冊子と供に

『辞めたら空からイタズラさせます。』と
なんとも恐ろしい手紙を先生に送った。
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*Comment

NoTitle 

一年前のみゆちゃんの事、家族の事、
知ることができて涙が出るけど嬉しいです。

医者にとって命が救えないって事、つらいけど
それ以上にたくさんの命を救える医者になって
ほしい。
ママさんは先生の力にもなれたんですね。
  • posted by ミナモ 
  • URL 
  • 2010.01/20 23:02分 
  • [Edit]

ミナモさん 

>ミナモさん
そう言っていただけるとなんだか嬉しいですv-410

みゆぽんの力にはなれなかったけど、これから
この事を糧に、いい医者になってくれたらなって
思います。
  • posted by みゆぽんのママ 
  • URL 
  • 2010.01/20 23:18分 
  • [Edit]

忘れない日 

本当に辛い日ですよね。
凄く動揺していたのに、ちゃんと憶えているんですよね。
明日香の時は、病院から急変の電話がはいって駆けつけた時にはもう、
心臓マッサージをされていました。
その姿があまりに可哀想で、
先生に「もうだめですよね」と言って止めてもらいました。
間に合わなくて、一人で逝かせてしまったことが、
今でも哀しいです。
だから、パパの気持ちよくわかります。

それから、私もお腹にいる時に異常を見つけないでくれて
良かったと感謝しています。
明日香との幸せな時間をありがとうって思っています!

この記事を書くのはとても辛かったと思います。
書いてくれてありがとう。
みゆちゃんのこと、ずっと忘れませんv-353
  • posted by 明日香のはは 
  • URL 
  • 2010.01/21 23:21分 
  • [Edit]

明日香のはは様 

> 明日香のはは様
辛い事を思い出させたらごめんなさいね。
1周忌を過ぎて、やっと書き残せました。
本当に辛い日でしたが、記憶の中から消してしまうのは
どうしても許せなかったんです。でも、年には抗えず
忘れそうなのでv-356
あしゅも大きくなって、何があったのかを知りたいと思うので
ちゃんと文章に残しておこうと思いました。

うちは心臓マッサージをしてくれませんでした。
今思うとお願いすれば良かったかなとも思います。

私も明日香ちゃんの事、絶対忘れません。
その名前もきっと忘れ難い、私達の縁ですよねv-354
  • posted by みゆぽんのママ 
  • URL 
  • 2010.01/23 23:40分 
  • [Edit]

NoTitle 

お久しぶりです。私のところももうすぐ命日。
みゆちゃんやご家族の1年前の様子を読んでいたら、自分のこととも重なり、胸が痛くなりました。

でも、いい先生やいいスタッフの方に恵まれたんですね。うらやましいです。私の産院もみなさん優しかったですが、先生からは異常に気づいた時の状況などは説明してくれましたが、『すみませんでした。』の言葉はありませんでした。謝罪してしまえば、何か罪を認めるようで、簡単には頭を下げたりできない立場なのかなっていうのはあるので、そのことに関してはいいんですが、3ヶ月くらい前に再び同じ産科に行くと、私のことは最初忘れてましたね。それは悲しかったです。毎日何人もの患者を診て、流産、死産なんかも何度か見ているといちいち憶えてないのかな…って、ちょっと悲しかったです。
看護婦さんは子供が亡くなった時謝罪してくれました。『ごめんなさい、私がもう少し早く気づいていたら…もしかしたら……』って泣いてくれました。私は“誰も予想できなかったことだから仕方のないこと。誰も責めるつもりはありません。最後まで優しく息子のお世話をしていただいてありがとうございました。”と言いました。看護婦さんたちは3ヶ月前に私が来院したときもすぐに気づいて笑顔で迎えてくれました。

当時は現実を受け入れるのが精一杯で、それ以上のことを考えようとも知ろうとも思えませんでしたが、時間とともに疑問に思うこともあって、『なぜあの時ああいう状態だったのか』『こうしてくれていれば助かったんじゃないか』とか…。何度か、もう一度話を聞いて確認したいと思ったりもしましたが、時間が経過しすぎていて、私も産院もあいまいにしか憶えてないこともあるし、納得いくまで追求しても何かがかわるんだろうか、これが息子の供養になるのか、私が前向きに生きるきっかけになるのか…、そう考えると、やっぱり終わったことを掘り返すのはよそうって思い直します。

お互い、1周忌に色々に色々思うことがありますよね。私達の子供がくれたご縁でみゆぽんのママさんに出会えて、励まされたり元気づけられたり、本当に良かった。みゆちゃん、ありがとう。
  • posted by COCO 
  • URL 
  • 2010.01/26 21:23分 
  • [Edit]

COCOさん 

>COCOさん
本当にお久しぶりですv-10
息子さん、もうすぐ命日ですね。

只今デトックス期間中で、たまっていた思いを吐きだしているので
同じ様にやけどさせたらごめんなさいね。

でも、どうしても当時の気持ちを書き残しておかないと、人間は忘れてしまう
悲しい動物なので、文章に残しておきたかったんです。
それを公開するのも悩んだんですが、同じ様に吐きだしたくっても文章に出来ない
人の代わりになれたらいいなと思い、書き残しておく事にしました。

ただ、やっぱり私も同じで、とってもいいスタッフの皆さんに出会えましたが
あとから、やっぱりあの時こーして、あーしてくれてたら
結果が違ったはず。
もうちょっとこうしてもらいたかった。
あの言い方が気に入らなかった。
とうとう出て来ました。
でも、それを相手に伝えたからって、娘は戻ってこないし
この時私が混乱しながらも考えた事、それが人間のギリギリの精神で考え出した
事なので、やっぱり思い出すと後悔は残りますが、それで良かったんだと思うように
なりました。
COCOさんも1周忌を迎えて、その前にお誕生日もありますし
色々思い出して辛いと思います。
いつか会って、お茶でもしながら子供達の話ができたらいいなって
思ってますv-410
  • posted by みゆぽんのママ 
  • URL 
  • 2010.01/29 20:52分 
  • [Edit]

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プロフィール

さにー

Author:さにー
あしゅ(小学生・男)とみゆぽんの二児の母です。
実夢(みゆ)は2008年11月17日、2356gで産まれた女の子です。
18トリソミーという染色体異常で産まれました。様々な合併症と戦うみゆぽんの日々を、書き残してゆきたいと思っています。

2009年1月14日、天国へ旅立ちました。

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